9月6日に発生した「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」で北海道中が停電になりました。
発生直後はテレビをつけ、津波が来ないことを確認し、断続的に発生する余震にドキドキしながら家族と家の中を出たり入ったりしていました。
すると停電です。子供達が目を覚ましている中、割れた食器などを片付けようと掃除機を取り出してきた矢先でした。
未明なこともあって辺りは真っ暗。家中から懐中電灯をかき集め、天井から吊るして明かりを確保しました。
何となくですが、「こりゃ、発電所から送電してないな。」と思いました。根拠はありませんが。
夜が明け、太陽が顔を出すと辺りは徐々に明るくなってきました。太陽と地球の自転のありがたみに感謝です。
銭湯はと言うと、災害対応で過去にガス化を見送った経緯があります。銭湯が必要とするライフラインは以下の3つ。
1.水
2.燃料(ウチは重油)
3.電気
ガスと重油の比較で、貯蔵が可能な重油を選択してボイラーを過去に更新した経緯があります。これで数日間は燃料補給がなくても燃やすことが出来ます。
水は少量ですが貯水槽があり、給水車が貯水槽に水を供給してくれれば、地域の人がお風呂に入れます。
しかし、電気だけは運べないし貯めておけません。電灯・動力の電源が無いと銭湯は営業できないのです。
災害時にはお風呂に入ってリフレッシュしたいものです。贅沢に聞こえるかも知れませんが、お風呂はリラックスと同時に気分を上げてくれます。
銭湯は災害時には重要施設であると勝手に思っていますが、意外に役立たずなことが今回の停電で分かりました。
そんな中、停電当日の午後には電源が復旧しました。市内には停電地域が大半で、お風呂に入れない、携帯電話に充電できない人のために、本当は直ぐにでも営業したかったのですが、地震の影響で浴室内の吊り下げ照明が落下していました。これのガラスの破片が男湯の床と全ての浴槽の中に飛び散っていたのです。
これの除去のために全ての浴槽のお湯を抜いて空にし、浴室床と浴槽内を掃除機で清掃し、さらに目視で電気で照らしながら細かなガラスの破片を取り除きました。
ここから水を張るなどの作業を行って、終わってみたら夜11時。営業開始は翌日に持ち越さざるを得ませんでした。
翌日、営業を開始してみると多くのお客様にご利用いただきました。停電が解消している地域からもお越しいただいたようです。どうやら、オール電化の家の場合、電気温水器のお湯が温まるまで時間が掛かるとのこと。お風呂に入れる温度になるまで待ちきれないから銭湯にいらっしゃったとのことでした。
今回の停電災害を防止するには自家発電しかないんでしょうね。そんな設備投資、無理です。
それにしても、今回の震災、真冬じゃなかったのがせめてもの救いでした。
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