以前にもご紹介したことがあるかもしれませんが、全国浴場新聞というのがありまして、その10月1日付け一面に「新型インフルエンザと公衆浴場」という記事がありました。記者が鳥取大学医学部長の井上貴央教授にインタビューするという形式で、分かりやすい内容なので皆さんにも記事を抜粋してご紹介します。
記者
浴場業を営んでいる私達にとっては新型インフルエンザの国内での感染は非常に心配ですが、その対応策はどうすればよいのでしょうか。
井上教授
インフルエンザウィルスは高い温度、高い湿気、つまり高温、多湿の条件では、「不活性化」というのですが比較的早く効力を失ってしまいます。銭湯は一般的に湿度は高く、お湯も40℃位ですのでウィルスは生きていけません。その点では以前話題になったレジオネラ菌とは全く違います。
とにかく不活性化してしまうので、お風呂場でのインフルエンザの感染はまず考えられません。
考えてみれば街を歩いていてもウィルスはただよっています。免疫力、抵抗力を高める、手あらい、うがいを励行する、マスクを着用する、というのはインフルエンザ対策としてよく言われていることです。インフルエンザウィルスへの対策として換気、空気の流れ、つまり空気がよどんでいない状態であることも大切です。
銭湯はその点、浴槽、脱衣場等好条件にあり、ウィルスの予防にとっては最適の場所です。私の大学の学生が最近沖縄へ行って新型インフルエンザにかかりました。密閉したクーラーのきいた車で、学生は全員感染してしまいました。窓を開けて走ってくれたらよかったのにとおもいました。「空気の流れが予防に大切」であることを強調したいですね。
映画館等空気の流れのないところは心配です。その点、銭湯は不特定多数の方々が利用する場所ですが、これほど安全な人混みはないといってもいいですよね。
新型インフルエンザについては風評にまどわされることなく、むしろ「銭湯は湿気もあり、空気の流れもよく、安全・安心で憩いの場所である」とPRする必要があるでしょう。
(旧サイト記事)
Copyright © 公衆浴場(銭湯) 鶴の湯 All rights reserved.