銭湯、客数減でもなぜ潰れない?多額補助金、水道料金実質無料、税金免除…(2014.3.2/ビジネスジャーナル)
なぜ銭湯は潰れない?利権と補助金まみれ、脱税横行のあきれた業界の実態~銭湯店主が激白(2014.3.7/ビジネスジャーナル)
連載になっているこの二つの記事、読むとセンセーショナルな書きっぷりですが、所々で東京都内という断りが出てくるものの、あたかも全ての公衆浴場に当てはまるかのような印象を受けました。読んだ私は、こんな世界があるんだなぁ~、と知らない業界の話のように受け止めました。多額補助金、水道料金実質無料、税金免除、共通入浴券再販、政治家との癒着などなど、全く縁の無い話です。
以前に書いたかもしれませんが、ウチの銭湯のボイラを入れ替えた時、廃業するか継続するかの選択だ、と考えた経緯があります。当時私の親は、地域に支えられて商売してこれたんだから継続することが恩返しだ、といって多額の費用を掛けて改修しました。その時も補助金なんて一切無し。燃料代の高騰とあいまって、10年以上掛けてのコスト回収もできるかどうかという状態。しかもその頃にはそのボイラも改修の時期。だからボイラの入れ替えは廃業との二者択一なんです。
燃料代は灯油代金とほぼ同じの90円/Lオーバー。浴室内の毎日の清掃に人件費も掛かりますが、従業員の生活も守らなくちゃならない。記事の中では随分とまことしやかに書かれていますが、銭湯はみんなが汚れと疲れを落としていく場所なのです。これを清潔に保つのが最大の仕事と言っても過言ではありません。湯船のお湯で床が綺麗になる訳ないでしょ。この記事書いた人は、銭湯に行ったことあるのかな。
補助金?敬老感謝の日イベントで無料入浴するお客さんの入浴料補填のお金のことですか?入浴客比で半分にも満たない補助金で燃料代にもなりません。完全に赤字イベントです。正直このイベント止めて欲しい。
税務署、保健所、調査に来ますよ。税金免除?聞いたことない。政治家?誰のことですか。水道料金無料?ちゃんと払ってますよ。水が冷たくて燃料代がかさみます。
銭湯は店主の心意気で存在してるんです。ビジネスとしてギリギリだから次の世代に引き継がれず、引き継げず、廃業していくんです。苫小牧でもまた一軒廃業します。
昔から銭湯を利用して頂いていたお年寄りは亡くなられたり、身内に引き取られたり、老人ホームに入ったりと地域からいなくなっていきます。でも、風呂無しアパートに住んでいる人は毎日入りに来てくれるし、自宅の風呂で溺れるなどの事故を避けるために銭湯に来てくれる人もいます。こういう人たちの衛生と安全を守るのも銭湯の役割なんです。
一部の人の話だけで記事に書く前に、銭湯の実態をもっとしっかり勉強した方がいいと思います。
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