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インバウンドat銭湯

外国人の日本訪問、これをインバウンドと言うらしいですが、随分と話題になっているようです。
そんな中で有名温泉地や大型温浴施設を利用する外国人の方々が多くいらっしゃるようです。

そんな中、トラブルも発生するようで、有名なのは刺青をした外国人の入場を断ったケースですかね。
刺青といってもいろいろある訳で、若者によるファッションとしてのワンポイントだとか、民族の伝統としてのものだったりとか。
そもそも刺青をした人がどうして公衆の利用するお風呂に入れないのか分かりません。
今でも当店は刺青による制限はしていませんので、背中に紋様を入れたお客様もいらっしゃいます。

私が子供の時にも沢山いらっしゃいましたね。こすっても消えないので随分と不思議な感じがしたものです。

刺青による対応の判断は、実は肌の色に対する対応の判断と同義だと思っています。
と言うことは、主観による判断ということですね。
見た目がちょっと違うから。自分の考えとちょっと違うから。
つまり、差別です。

多くの人が集まる場所で最も重要なのは協調性です。簡単に言うとマナーです。
銭湯にもマナーがあります。自宅で自由にしているようにはできないのです。
幼い頃から銭湯に親しんだ人は、自然と銭湯でのマナーが身についているでしょう。

1.浴室に入る前に裸になる。
 入浴着を除きます。入浴着は水着とは違いますよ。
2.湯船に入る前に体を洗う。
 沢山の人が使う浴槽のお湯をキレイに保つためです。
3.隣や後ろに気をつけて掛け湯やシャワーを使う。
 他人の掛け湯やシャワーが自分に掛かったらイヤでしょう?
4.浴槽の中にタオルを入れない(浸さない)。
 これは保健所によって禁止されているんですよ。
5.浴室から出る前に体を拭いてから脱衣場に入る。
 ベチャベチャな脱衣場を歩きたくないですよね。

なんてことはありません。要は「他人に対する心づかい」の問題なんです。
互いが心づかいできれば、そこは他人同士でも快適な空間になるってことなんです。
刺青とか肌の色とかいう問題ではないのです。

さて、本題ですが、外国人の方々にこれが通用するでしょうか。心づかいは共通にもっているとしても、大勢で裸で風呂に入るという文化を持ち合わせない国から来た人は誰かに教えてもらわなくてはなりません。
銭湯のオヤジが入浴前に講義すればいいんでしょうが、そんなのできる訳ないじゃん、ということでパンフレットの登場です。
一つ目は「Discover ‘Real Japan’ SENTO」です。三つ折りパンフレットで銭湯とマナーについて紹介しています。
まぁ、これの問題は銭湯に行かないと手に入らないことですね。
二つ目は「銭湯ご案内マニュアル」です。来場した外国人に指さしで案内ができるようになっています。
リンクをクリックすると私がスキャンしたPDFファイルを見られます。

私なりに考えるこれらパンフレットの目的は何かというと、
一つ目は、「外国人の方々も銭湯を利用してね」で、
二つ目は、「郷に入れば郷に従え」です。

私たちも外国に行けば、多くのマナー違反を犯しているはずです。理由は簡単。「知らない」からです。
同じことが外国から来た方々にも起こります。
知らないで犯したマナー違反がどういう結果を生むのかは明らかです。
「迷惑」
日頃の常連さんからのクレーム、国が違うという理由で〇〇人は迷惑、などということになるのです。
外国人の方々だって初めての場所では緊張して遠慮しているはずです。そこにマナーさえあれば皆で気持ちよくお風呂に入れるのです。

インバウンドをネタにしてマナーについて書きましたが、これは公衆が利用する場所で共通することです。
既に多くのマナーを知っている私たちも、心遣いを持って気持ち良い時間と空間を共有しましょうね。

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